今や漫画はどんどんと多様化してます
以前のような、少年漫画、少女漫画、青年誌と
分かれていたカテゴリーが希薄になりつつあります
ぺけぺけも青年誌中心ではありますが
わりとカテゴリーをまたいで読むことが多く
素敵な漫画が多過ぎてフォローしきれないのが現状です
今、週刊誌で唯一毎週購読している
週刊ヤングジャンプから
一作品ご紹介したいと思います。
可哀そうにね元気くん
著者、古宮 海さん
コミックス全八巻(完結)
青年漫画というよりは恋愛漫画なのですが
主人公の廣田元気くんをはじめ、
主要なキャラクターたちが、それぞれに
性的な倒錯をかかえつつ進行していく
一風変わったラブロマンス作品です。
『可哀そうであればあるほど可愛くって可哀そうで可愛いそうなんだ』
そんな信条を掲げる廣田元気くんと
元気くんの欲望をかきたてる、どんくさい美少女、八千緑七子(やちみどりななこ)さん
活発で優しいクラスいちの美少女、鷺沢守(さぎさわまもる)さん
それぞれの抱える闇と想いが交錯し、
果たしてどんな結末に向かっていくのか
最後まで目が離せない良い作品でした。
このマンガ、ここが凄い
いっけん普通の主人公が
内気でけなげな美少女と、活発で社交的なクラスのアイドルに好意を寄せられ
二人の合間で揺れるという言わば王道と言える構成の恋愛漫画なのですが
特筆すべきは、個々の人物が強烈な裏設定を持ち合わせていて
恋愛感情(?)がもつれにもつれて、果たして何処に着地するのか
予測不能な展開が繰り広げられるというカオスな感じが印象的でした。
こんな子達
廣田元気
・一般的な男子高校生
・クラスメイトの八千緑さんをモデルにした凌辱漫画を描いて同人誌を制作
・八千緑さんの苦しんだり怯えたり痛がる様を妄想して性的興奮を覚える
八千緑七子
・地元では有名な和菓子屋さんの娘さん。胸の大きい美少女。
・常にどんくさく、クラスではお荷物的存在。
・友達がほとんどおらず、勉学もあまり優秀ではなく
ケガやトラブルが絶えない(元気くんの妄想トリガー)
鷺沢守
・クラスのアイドル、みんなの憧れ、学業優秀、文武両道の優等生
・元気くんを人けのないところへ誘い出し、いきなりのグーパンチ!(そして恍惚の表情)
同人誌の存在を突き付けて元気くんを屈服させ『今日から私が飼ってやる』宣言
八千緑励一
・八千緑七子さんの弟、和菓子屋王子としてファンクラブが存在するほどの美少年
社交的で学業、運動ともに優秀な和菓子屋の跡取り息子
・姉の部屋に監視カメラを仕掛けたりする重度のシスコン
元気くんの同人誌の存在も知っており、姉と仲良くするげんきくんを敵視する。
姉をめぐり家族との確執アリ。
皆さん、いろいろかかえてますね~。
話が進むにつれて抱える闇がどんどん明らかになり物語も二転三転
読み始めたら抜けられない沼属性のマンガです
ここが見どころ
私が注目するのは
ズバリ!表情。
着替えの途中でクラスの男子にさらされる八千緑さんを見て
『可愛そうに』と、呟く元気くんの表情
元気くんにグーパンチして恍惚の表情を浮かべる鷺沢さん
創コミで慌ててブースへ走る元気くんを尻目に舌を出して笑う励一君の表情
励一君をシスコン覗き魔とののしる鷺沢さんの表情
どれもキャラの偽らざる本性をストレートにあらわしており
この作家さんの真骨頂のように思います。
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ぜひ、手に取ってほしい作品
ここまで読んで下さった方
少しでも気になった方
この作品を手に取って楽しさを共有出来たら
私としては最高に嬉しいです。
蛇足ですが、私は一番闇の深いと思われる鷺沢さん推しです
いびつな恋愛マンガに心かき乱されてみませんか?
以上、僕の好きな漫画のはなし6(可哀そうにね、元気くん編)でした。
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